第11回哲学教室のレポート
第11回哲学教室のレポート
第11回テーマ:「”差別”とは何か “平等”とは何か」
今回5名の生徒と、保護者を含め3名の大人の方にご参加いただき、大変充実した会になりました。
これまでの哲学教室は机をロの字型に並べ、その周りに参加者が座る形をとっていましたが、今回は机を取り払い、椅子だけを丸く並べる形にしました。机を取り払い参加者同士の隔たりを小さくすることで、参加者が対話に参加しやすい環境を作るという狙いがありました。実際、机があるときに比べ、生徒たちはのびのびと自由に発言していたように思います。また、同席された保護者の方々やこの教室の講師達も意見を述べる場面も多々あり、「生徒である」とか「親である」といった身分や年齢の壁を超えた「対話の広場」が出来上がっていたように感じました。このような会場作りが有効であったことが示されています。今後の哲学教室も今回のような形で行うようにしていきたいと思います。
差別をめぐる今回の議論では、国語専科教室が制作した『これで考える力がぐんぐんのびる』(合同出版)において提示されている、考えるための12のメソッドを実践して考えを深めていくという方針をとりました。たとえば今回、ある行為が差別であるか、それとも単なる区別であるかをどう線引きするかという問題に議論がさしかかったとき、それまでの議論が前提していた「個性」という概念が十分に定義されていないということにわれわれは気づかされました。このように、議論が袋小路にいたったときに、前提していた概念に立ち戻り、それをきちんと定義(いいかえる)ないしは分析する(整理し、分類する)ということを実践し、そういった方法論が思考を掘り下げるために有効であるということを生徒のみなさんに理解してもらえたと思います。
次回の哲学教室:6月15日(日)16:30~18:00