音楽ワークショップ報告『音・ことば・沈黙のためのエチュード by Jun Kawasaki/contrabass』

 

2013年1月14日、音楽ワークショップ『音・ことば・沈黙のためのエチュード』を、月光町アパートメントで開催しました。今回コントラバスを演奏してくださった河崎純さんは、世界を舞台に活動される音楽家ですが、本教室の講師も担当しています。

この日、東京は記録的な大雪となり、午後には一面の銀世界になりました。悪天候にもかかわらず、二組のご家族がご来場くださいました。

窓の外では、世界がいつもとはまったく姿を変えて、真っ白に輝いています。風が吹くと樹々の黒い枝が揺れ、雪の塊が音もなく落ちていきます。雪の日の独特の静けさが、部屋を満たしています。バッハの無伴奏曲が聞こえてきます。やさしくてあたたかいコントラバスの低音が、聴く者の身体に直接響きます。こうしてミニ・コンサートは始まりました。

 

河崎さん自身の作曲作品やお話を交えた演奏の後は、生徒さんたちがコントラバスを触ったり、弾いたりして音を出すワークショップでした。最後に、「鳥の歌」(スペイン・カタロニア民謡)が、河崎さんのコントラバスと子どもたちの鈴や鐘の即興とで合奏されました。

心にしみる、ホワイト・コンサートになりました。

(国語専科教室講師・中島ゆかり)

≪参加した生徒さんの作品≫

 

Mさん(小2)

わたしは、東京で今年はじめての大雪の日に、ミニコンサートに行きました。雪がたくさんふっていたのでたいへんでした。けれど、ぶじにかわさき先生のコンサートに行けたのでよかったです。

わたしが一番心にのこったことは、かわさき先生の楽きのげんをさわったことです。そのげんは、ひつじのちょうのげんでした。遠くから見てみるとふつうのげんに見えたけれど、近くから見てみたら、色がうすい茶色みたいでした。

また、かわさき先生は、コントラ・バスでバイオリンに近いA(アー)線かD(ディー)線ぐらいの音をひびかせてひいていました。わたしは、そんな音が出るとは思いませんでした。

わたしは、ミニコンサートに来て、かわさき先生がそんな音を出してプロのようだと思いました。

 

Tくん(小3)

「コントラバス」 

ぼくは一月十四日にコントラバスのワークショップにさん加した。ぼくはバイオリンをやっているから、コントラバスとくらべることができた。まず、コントラバスのげんと自分が持っているバイオリンのげんのしゅるいがちがっていた。ワークショップで使われたコントラバスのげんは羊のちょうをねじって作られている。けれど、自分のはスチールで作られていた。ワークショップのと中にコントラバスを弾かせてもらったら、バイオリンを弾くときよりもしんどうがつたわってきた。それは、コントラバスの方がげんが長いから左右にゆれるはばが大きいためだと思う。また、スチールよりも羊のちょうで作られたげんの方がのびるのかなあと思った。ワークショップでえんそうされた曲は知っている曲と知らない曲があった。タンゴはお父さんが好きだと言っていた。コントラバスは大きいから持ち運びがたいへんそうだなあと思った。

 

≪工藤順一・ブログより抜粋≫

……結局2家族が来訪し、7名のお客様でしたので、ぜいたくというのは、こういうことを言うのかと思えるくらいに、超ぜいたくな音楽会でした。

はじめに演奏されたシューベルトのという曲は、まさに、今日の日のために用意されたような、雪景色の中の失恋を歌うリートでした。「冬の旅」の何番目だったでしょうか、「菩提樹」は、たぶん中学生のときに、フッシャー・デスカウではじめて聞き、この世にこんなものがあるということに全身が震えた思い出があります。ドイツ語だったので歌詞は分かりませんでしたが、生きていることの不思議さと、不安と、喜びとが、まるごと、その曲から伝わってきたのです。
本も同じなんです。すばらしい本をまだ読んでいない子どもに出会うと、私は、うらやましくてしょうがありません。なぜなら、その感動をまるごとこれから味わえるのですから。
ひとしきり、子どもたちがコントラバスで遊び、最後に、カザルスの『鳥の歌』で終わりました。この曲は、リハーサルのとき、はじめて聞き、本日2回目でした。涙が出てとまりませんでした。

 河崎さん、素人の私なぞがありきたりの賛辞を書くことは止めます。
代わりに、私には、なぜ、あなたがあの大きなコントラバスを後生大事に抱えて生きて行かざるを得ないのか、心底、納得できました。



ワークショップ

IMG_0191
第2回歴史講座を終えて
12月1日(日)、恵比寿教室にて第2回歴史講座が行われました。生徒7名、保護者の方4名に講師も加えて、合計19名の参加を得ることができました。ご参集いただき、ありがとうございました。  今回の歴史講座の主役は“戦中の少女 ...続きを読む »
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
講演会報告「岡田淳先生 特別講演会」
2013年3月31日(日)、作家の岡田淳さんが、当教室の生徒と保護者のために、関西から上京してお話をしてくださいました。会場となった東京・青山の<こどもの城>研修室に総勢約140名が集まり、約2時間にわたって行われた講演 ...続きを読む »
ワークショップ
音楽ワークショップ報告『音・ことば・沈黙のためのエチュード by Jun Kawasaki/contrabass』
  2013年1月14日、音楽ワークショップ『音・ことば・沈黙のためのエチュード』を、月光町アパートメントで開催しました。今回コントラバスを演奏してくださった河崎純さんは、世界を舞台に活動される音楽家ですが、本 ...続きを読む »
Copyright © 工藤順一 国語専科教室 2017 | base design criated by Ani World.