人造人間について(中1・I君)

『人造人間について』
中1・I君

人造人間とは、主に人によって製造された、人間を模した機械や人工生命体のことであり、人型のロボットなどをさす。その中にはアンドロイド、ガイノイド、バイオロイドなどがある。

それぞれの人造人間の特徴は次の通りだ。アンドロイドとは、男性型の人造人間を指す言葉である。一般には機械的に作られた物のイメージが強く、人 間に擬態した容姿を持つロボットを指す。ガイノイドはその女性型を指す言葉だ。一方、バイオロイドは有機的人造人間を指す用語である。その中でもバイオテ クノロジーなどの科学技術で造られたものを指すことが多い。

人造人間は色々なところで題材にされている。たとえば、ゲーム、アニメ、SF漫画、映画、小説作品などに頻繁に登場し、人間の良きパートナーとして活躍することが多い。

だが、一方でフランケンシュタイン・コンプレックスという言葉がある。フランケンシュタイン・コンプレックスとは、創造主に成り代わって人造人間 やロボットといった被造物を創造することへのあこがれと、さらにはその被造物によって創造主である人間が滅ぼされるのではないかという恐れが入り混じった 複雑な感情・心理のことだ。すなわち、人間は人造人間による反乱や反逆を恐れているのである。

その恐怖をおさえるため、アシモフはロボットの三原則を作った。それは「第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過 することによって、人間に危害を及ぼしてはいけない」「第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令 が、第一条に反する場合は、この限りではない」「第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならな い」という内容である。要するに、安全、便利、長持ちする人形、家電製品として人造人間をあつかっている。

しかし、人が人を造っていいのか、神への冒涜ではないのかと考える人もいる。キリスト教徒をはじめとするアブラハムの宗教の考えでは、人間が人間 を造るという行為は、神への挑戦、あるいは冒涜と見做されるからである。はたして、人造人間を造ることは神への冒涜なのだろうか。

私は、自分の意志を持たない無機的人造人間なら神への冒涜にはあたらないと思う。なぜなら、無機的人造人間はプログラムの中でしか動けないから だ。だから、完璧な人間とは言えず、神への冒涜とは言えない。反対に、バイオロイドのような有機的人造人間は、人間のように心をもっているため、これは神 への冒涜になると思う。つまり、人間が人間であるということは、心をもっているということなのだ。

今後、科学が発展し、人造人間は介護や家庭用として私達の生活をより良いものにするだろう。けれども、人造人間は兵器として戦争につかわれるよう になるかもしれない。だから、人間はアシモフの三原則を守った人造人間を造り、人間にとって平和でより良い未来を作るよう心がけなければならない。

講評(講師:澤口佐弥香)

21世紀になり、ますます科学技術は発展し、ASIMOのような二足歩行ロボットや、人間と見分けがつかないほど人間に近い容貌をもつロボットが 開発されるようになりました。このペースで科学技術が発展していけば、家庭用や介護用としてロボットがわたしたちの生活の中に入ってくるのも、遠い将来の ことではないかもしれません。

今回、Iくんが書き上げてくれた作文は、「人造人間」をテーマにしたものです。「人造人間」は映画やマンガの世界を含めてよく耳にする言葉です が、「人造人間」の定義をはっきりと理解している方は少ないと思います。Iくんは日常的に取り組んでいるレゴブロックでのロボットの製作を通して「人造人 間」に関心を持ち、「人造人間」が開発されることの是非、今後開発されるかもしれない「人造人間」と人間が築くべき理想的な関係について考えてくれまし た。

普段はゆっくりしていて、自分の意見を書くのが苦手な彼が、たくさんの参考資料を読み、じっくりと考えて書き上げてくれた作文です。この作文の完 成を喜ぶとともに、この作文を読み、みなさんにも「人造人間」と共に生きるこれからの社会について考えていただければと思います。

※作品のコピー・無断転載を禁止します



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