かきの観察(小3・Iさん)
小3・Iさん
私は先週、かきを観察した。
まず、はじめに目で見て観察した。葉は、へたについていた。私の手のひらぐらいの大きさで、葉みゃくが細かかった。色は、緑と茶色だった。実は、 だいだい色だった。へたの方にはしわができていた。下の部分は茶色くて、毛が生えていた。枝は、茶色でふしがあった。そして、実にななめについていた。
次に、手でさわって観察した。葉は、うらがざらざらしていて、表はうらよりはつるつるしていた。つかむと、ふにゃふにゃしていた。実は、つめたく て、でこぼこしていた。手ざわりは、つるつるしていた。そして、下の部分は、とがっていた。枝は、かたくてふしの部分はいたかった。また、ざらざらしてい た。
それから、耳で聞いて観察した。葉は、たたくとピチピチと音がした。なでると、シュッシュッと音がした。実は、つくえの上で転がすとボコボコと音をたてた。たたくと、パチパチと音がした。指ではじくと、コツコツと音がした。枝は、つくえにぶつけるとトントンと音がした。
そして、鼻でにおいをかいで観察した。においは、葉だけした。葉のにおいは、ツーンとするいやなにおいだった。
最後に、実をなめてみた。すると、甘かった。すうと、汁が出てきた。みつがあるところをなめると、たくさん汁が出てきた。そして、食べると、みつがあるところは、ないところより甘かった。食感は、少しかたくて、シャキシャキしていた。かむと、汁が口の中で出てきた。
かきは、こまのように回して遊ぶことができた。そして、私はかきを見て秋を感じた。かきの味は、美味しくて甘かった。私は、かきは甘いので好きだ。
講評(講師:澤口佐弥香)
長く暑い夏が過ぎ、今年も秋がやってきました。そこで、今回の授業では、秋の果物の代表格である「かき」の観察に取り組んでもらいました。最近で は、スーパーマーケットでさまざまな季節の野菜をいつでも買うことができるようになったので、子どもたちが食べ物から季節を感じる機会は減ってしまいまし た。いつもより五感を研ぎ澄ましてさまざまな角度から観察し、あらためていつも思っていることや感じていることを思い起こしてもらうことで、普段当たり前 のように目にしているものから今生きている現実を感じてもらえるきっかけになればと思い、この課題に取り組んでもらいました。
Iさんは、はきはきとして利発な小学三年生のおじょうさんです。いつでも課題や本に誠実に向き合い、元気にそして熱心に取り組んでくれています。 今回の作文も、1時間半の授業のすべてを観察に費やし、講師の助けを求めることなく、翌週の授業で勢い良く作文を書き上げてくれました。
この作文の最もすばらしいところは、それぞれの五感で感じた情報をすっきりと整理できているところです。はっきりと捉えられているようで、曖昧模糊と認識している情報を、一つずつ分類し、きれいな文章にまとめることができました。
大人でも難しいこの作業を、小さな身体と大きな集中力で一つの作文にまとめあげてくれたIさんに大きな「はなまる」をあげたい作文です。
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