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ワークショップ報告「秋の美術鑑賞・世田谷美術館」

Posted By admin On 2010年10月28日 @ 8:10 PM In ワークショップ | Comments Disabled

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10月10日、世田谷美術館「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」にて、秋の美術鑑賞ワークショップを行いました。参加したこどもたちそれぞ れが、「一番印象に残ったものを先生や友達に紹介しよう」というテーマのもと、「裸の心」で作品と対峙し、感想を文章にしました。

ワークショップ報告 (小林敦)

今回観に行ったのは、スイス、ヴィンタートゥール地方の美術館所有の印象派をはじめとする近代絵画、彫刻のコレクションだ。

展示内容は、今からおよそ100年前の絵画・彫刻。その時代は、機械化の時代の真っ只中。絵画とはいえ、時代の変遷とは無関係にはいられなかった。とりわけ、写真=カメラの普及により、目の前の現実を切り取り、再現することが容易になってしまった時代でもある。

たとえば、それまでの時代、特に、ルネッサンス期のダ・ヴィンチやアルブレヒト・デューラーなどが創始者といわれる遠近法は、目で観る世界をその まま、まさに再現するために、数理的な技法を用いたわけで、その後は、それが主流となっていた。しかし、写真が一般化すると共に、その担っていた意味、役 割が薄れてきたわけだ。

とすると、絵画の役割はいかに? 絵画の絵画たる意味(意義)は? といったことを模索しながら、こうした時代背景の中で、さまざまな表現技法が生まれるのも必然であった。

そこで、その先鞭をきったのが印象派。そして、キュビズム、表現主義、フォビズム(野獣派)、などなど。対象を正確に再現するだけでなく、自分 (たち)は、世界をどのように捉えているのか。印象派は、光学技術(たとえばゲーテの色彩論)に基礎をおき、対象を光に分解して再構成するという技法。 キュビズムは、ある一点からの視点だけでなく、対象をさまざまな視点に解体し、それをひとつの画面に再構成したもの。と、このように、眼の前の現実をあら ためて、じっくりと観る(=読む)ことで、新しい技法が生まれたのだ。

これがテーマになった時代の作家たちの作品のコレクションであった。この近代の世界観は、絵画をはじめとするアートのみならず、文学の世界にもあ らわれているので、その意味では、国語や美術、数理科学、哲学などといったジャンル別に語られる問題ではなく、あらゆる思考・表現ジャンルに共通する問題 であるということを、基本的な概念として押さえておくことが必要だろう。

生徒作品

Mさん 2年

わたしは、夕やけの絵が、一番いんしょうにのこりました。山から日がとびだしているように見えました。夕やけがわたしに「わたしは、夕やけです。 あなたのいんしょうにのこれてうれしいです。またきて下さい! まっていますよ。さようなら」とささやいてくれました。とどうじに、ジリッという音もきこ えました。わたしが、この絵をみなさんに教えてあげたい理由は、わたしも夕やけがすきだし、明るいほうへみちびいてくれるし、とてもいい音がきこえて、と てもとても好きになったし、いいきもちになれたからです。とてもおもしろかったです。ゆうやけのいったとおり、またきたいです。

Kさん 2年

わたしは、ヴィンタートゥールびじゅつてんへ行きました。さいごのほうにあった、あかちゃんの絵を、よくおぼえています。そのあかちゃんの顔は、 おもしろかったけれど、こわかったです。そのあかちゃんは、とても大きくて、左てで、あやつり人形をもっていました。そのあやつり人形の顔には、ひげがは えていて、おじさんの顔をしていました。

わたしが、その絵をわすれられないのは、ふとったあかちゃんが、おこっていて、のろいをかけられそうだったからです。

Mさん 2年

私が、みんなにしょうかいしたいと思う、一番いんしょうにのこった作品は『秋の太陽』という絵です。木のはが赤く、空がいろいろな色でかいてある げいじゅつてきな絵でした。なぜ、それをみんなにしょうかいしたいかというと、はが、とてもきれいな色だったからです。私がもし、絵の中にいけたら、きっ と「わー、きれいだな」と言ってしまうと思います。なぜなら、こうようがとてもきれいで、空があざやかな水色だったからです。

※作品のコピー・無断転載を禁止します


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