くまのぼうし(2年・Fさん)

講評(講師:林真人、齋藤真紀子)

これはFさんが創作した物語文です。

まず、「いつ・どこで・だれが・なにをした」から書き起こし、以降は、「すると」「だから」「しかし」などの接続詞の書かれたサイコロを一文ごとに振り、出た目の接続詞を使って物語を展開するという方法を用いてもらいました。

授業の最初にそのような指示を与えると、Fさんはわき目も振らずに創作に取り掛かり、この暖かな物語を30分ほどで一気に書き上げました。途中からは、彼女の中で物語がどんどん膨らんできているのを感じたため、接続詞サイコロを使わずに物語を進めることを許可しました。

この授業に限って言えば、講師にできることは彼女の邪魔をしないことだけでした。

Fさんは決して口数が多いわけではありませんが、しっかりと意思表示をする生徒です。課題を与えると、自分が納得のいくまで黙々とこなし、集中力 が途切れることがありません。しかし、Fさんは集中力にととまらず、澄んだ想像力、そしてそれを書いて表すという創造力を持っています。この力は、Fさん のうちなるものを存分に発揮し、Fさん自身の内発的動機をも高めます。このような様子を見ていると、想像性=創造性という関係が納得できます。

そして何より、授業を終え、「今日も楽しかった」と笑顔で帰っていく姿が、私たちに、この教室での授業のあり方を考えさせてくれます。

本文

『くまのぼうし』

ある日、くまが森の中をあるいていました。すると、くまがぼうしをおとして、そのままあるいていってしまいました。その時、りすがあるいてきて「これはすてきなぼうしだ。家にしよう」といってぼうしの中にはいりました。すると、うさぎがやってきて「わたしもいれて」といってはいってきました。だから、りすはゆるしました。

りすとうさぎがぼうしの家になれると、りすが「この家を小さなどうぶつのひろばにしよう」といいました。それをきいて、うさぎは「それはいいね」 といってかんばんを作りました。しかし、くまがやってきて「ぼくのぼうしを何にしているの」といいました。そして、りすとうさぎが「小さなどうぶつひろば にしているの」というと、くまはさんせいしました。その時、たくさんの小さなどうぶつがやってきて「わたしたちもいれて」といってなかまになりました。そ れをみていたくまは「ぼくは、ぼうしをみまもる人になる」といって、森はとてもゆかいになりました。

そして、森はしあわせの森という名になりました。

※作品のコピー・無断転載を禁止します



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