おもしろ生物(小1・Nさん、小1・Yさん)

講評(講師:後藤友洋)

プライマリー・クラスの学習において何よりも大切なことは、物語の世界を心から楽しむこと。そして、そこで得た楽しさを、今度は自分の言葉で表現することによって、他者と共有していくことにあるといえるでしょう。

小学1年生のYさんとNさんが取り組んだのは「おもしろ生物」というテーマの作文です。

まず、ちょうど生き物の名前でしりとりをするように、2つの生き物を組み合わせて、新しい生き物を創造します。たとえば、「ぶた」と「たぬき」で「ぶたぬき」、「きつね」と「ねこ」で「きつねこ」などです。気に入った生き物を作ることができたら、その生き物を登場人物にして、物語を創作していきます。

ここに、誰かに「強制されている」学びの形はありません。書くことの楽しさに引きずられて、二人はどんどん書いていきます。気がつくと、彼女達の執筆量は原稿ノート数ページ分に及び、それでいて、きちんとひとつの物語としてのまとまりをもった作品が、そこに出来上がっていたのでした。

二人の物語の、読んでいて思わず微笑んでしまうような展開は、日頃の豊富な読書体験に支えられていることは間違いありません。それは、彼女達がつねに活き活きとした物語の世界を生き、楽しんでいることの証でもあります。

新たに命を吹き込まれた動物たちの姿を想像しながら、彼女達の世界をじっくりとお楽しみください。

資料

おもしろ生物の絵

本文

小1・Nさん

ある日、リスズメが空をとんでいると、こわいハトラがとんでいました。リスズメはこわくなってきていましたが、ハトラはきがついていないのでそーっと森のほうへおりていきました。ちょっとすすんでいくと、ウサギツネがなにかなやんでいました。ちかづいてきいてみたら「わたし、森から出たいんだけどあっちにいってもこっちにいっても出口がないの。どうしたらいいと思う」と、ウサギツネがいったので、リスズメは、いいことを思いつきました。「シカメにきけばいいんだよ」と、いいました。ウサギツネは、一どかんがえてから、「いこう」といきなり大ごえでいったので、リスズメはびっくりしてしまいました。リスズメとウサギツネはきの実をひろってはっぱにつつんでもっていきました。どんどんすすんでいくとシカメがいました。「どこに出口があるの」ときいたら、「すぐそこだよ」と、おしえてくれました。三人で出口までいっしょにいって、シカメに、「バイバイ」といって、二人でそとに出ました。空を見あげると、とてもこわいハトラがこっちにむかってきているではありませんか。二人はがんばってにげようと、はしっています。

二人とも、おいつかれていないことをたしかめてから、ちかくに小さなおうちがあったので、ゆっくりとあるいていきました。なぜゆっくりあるいたかというと、さっきすごくスピードをあげてはしってきたので、すごくつかれていたからです。小さなおうちのドアのインターホンをならしたら、だれもこたえません。もう一どおしたけど、だれもでません。なんどもなんどもおしてもでないので、あきらめて、ドアがあくかしらべてからそーっとドアをあけたら、いきなりハチがブーンと、なんびきものたいぐんでおいかけてきました。二人ともびっくりして目がまんまるになっていたのでこわいこともわすれていました。でもこわいことを思いだして、すごいスピードでにげだしました。ハチは空をとべるのでうえからもおそいかかってきます。「こうなったらぼくのせなかにのって空たかくたかくとんでいこう」と、リスズメがいいました。でもリスズメのほうが小さいからのれるかな。「わたしのれないから、やっぱりはしってにげようよ」と思ったときにはもう、ハチもいませんでした。小さなおうちの中は、ぼろぼろだったので入るのはやめました。

また、あるいていくと、森のホテルとかいてあるかんばんがあります。右やじるしがあったので、右にいくと、木でできた大きなホテルがありました。そこに、五日とまることにしました。おなかがとてもすいていたので、まず、レストランにいきました。そしたら、ともだちの、ネコイヌがいました。ネコイヌのことは、ウサギツネしかしりませんので、ウサギツネがネコイヌをリスズメにしょうかいしました。三びきいっしょに、どんぐりサラダと、くりごはんと、はっぱサラダをたべました。「おいしいなー」と、三人がいいました。ポーターさんがきてくれて、へやまでつれてってくれました。へやのばんごうは、五かいの<八〇三>ごうしつで、中に入ってみました。入ると、まっしょうめんにまどがあって、ホテルのげんかんの右にプールがあって、左には公園がありました。「明日、プールにいって、しあさってに公園にいこう」「うんいいよ」と、ウサギツネがこたえました。右のほうにあるいていくと、ドアがあって、あけてみると、ベッドが三つあって、大きさも、大きい小さい大きいに、なっています。もう、よるごろなので、もうねることにしました。「あっ、ねるまえにおふろ入らなきゃ」おふろばにいくと、もう水が入っていました。さわってみたら、とてもあたたかかったです。三人でおふろに入って「一二三四五六七八九十」とかぞえて、おふろから出て、ベッドに入って、すぐねてしまいました。そのつぎの日、プールにいって、一時間も、プールであそびました。また、つぎの日、公園にいき、ブランコや、すべりだいや、ジャングルジムであそびました。あと二日のこっているので、ホテルのちかくのびじゅつかんにいきました。そのつぎの日に、かえるじゅんびをして、森の中の自分たちの家にかえりました。

パンダチョウがゾウサギをたすけたよ (小1・Yさん)

あるひ、タヌキリンがくさをたべていると、どこからかなきごえがきこえてきました。そのなきごえがきこえるほうにおそるおそるちかづいていくと、なんとゾウサギがないているではありませんか。タヌキリンはどうしたのとききました。トライオンがパンダチョウをおそってさらっていっちゃったの。じゃあいっしょにパンダチョウをたすけにいこう。でもたすけにいくのは、たいへんじかんがかかりました。だって、ふねに一かいのってボートにのってひこうきにのってタクシーに三じかんのるんだよ。でも、タヌキリンとゾウサギはあきらめませんでした。パンダチョウのいるしまについたときはよなかの三じでした。いまは、よなかの三じでしたからまっくらでした。タヌキリンはこまってしまいました。そこにぽつりとあかるいものがみえました。そのあかりにちかづいてみると、パンダチョウのいるいえでした。でも、はんにんは、パンダチョウがにげないかみはりばんをしていました。なんでみはりばんをしているのかは、あさのしょくじにたべるつもりだったからです。でも、しおとこしょうとしょうゆがひつようでした。トライオンは、そとにでてスーパーにむかいました。トライオンはかぎをしめるのをわすれてしまいました。ですから、ゾウサギとタヌキリンは、いえにしのびこみパンダチョウをおんぶしてゾウサギのすんでいるおうちまでつれていって、たのしくよるをすごしましたとさ。

※作品のコピー・無断転載を禁止します



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