ザ・ルーブルそしてモナ・リザ (インターナショナルスクール中1・K君)

講評(講師:横田さやか)

K君は、知的好奇心いっぱいの元気な12歳の少年です。サッカー好きとあって、ちょっとした怪我が絶えません。先日は左足の脛に大きなあざをこしらえて教室へやって来ました。そして、いつも教室へ到着すると、まずソファーに腰を下ろして、本を広げます。インターナショナル・スクールに通うK君は、英語でもたっぷり読書を楽しんでいます。日本語と英語での読書が押しつ押されつしながら、K君の読む力・書く力を着々と育んでいるようです。

さて、そんなK君が長い時間をかけて書き上げた「ザ・ルーブルそしてモナ・リザ」をご紹介します。

授業では、まずモナ・リザにまつわる謎について調べたことをプロセス原稿用紙1 にまとめました。その後、ご家族でルーブル美術館を訪れ、帰国後、実際に目で見て来たこと、感じたことを再度プロセス原稿用紙に書き留めていきました。最終的に原稿にまとめあげた時には、誰よりもK君自身が達成感と充実感を得られたようです。

この課題を仕上げた後、ひとつの文章を書き上げるまでの集中力と要約力が、ぐんと伸びたように感じます。

それでは、モナ・リザの謎と、美術館のあの空間に立ったK君の報告を、お楽しみください。

本文

『ザ・ルーヴルそしてモナ・リザ』
インターナショナルスクール中1・K君

ダン・ブラウンが書いた「ダヴィンチ・コード」を読んだ後に、ぼくはモナ・リザの絵に強く惹かれた。それをきっかけに、パリにあるルーヴル美術館へ家族で行った。そして、この作文を書くことにした。

モナ・リザを描いた画家、レオナルド・ダ・ヴィンチは、一四五二年に、フィレンツェ郊外のヴィンチ村で生まれた。一五〇三年、レオナルドが五十一歳の時にモナ・リザを描き、一五一九年、六十七歳でロワール川で死去した。

モナ・リザには謎がたくさんある。中でも、顔の謎が多い。その内の一つの謎が、顔の右半分と左半分のちがいだ。右半分は喜びを表し、男性の顔である。逆に左半分は悲しみを表し、女性の顔である。また、この神秘的な「微笑み」は、八十三%の幸せ、九%の嫌悪、六%の恐怖、二%の怒りを含んでいると言われている。

長い間モナ・リザは眉がないと思われてきた。この時代は額が広いほど美しいと言われていたからだ。しかし、最近、最新のカメラで分析した結果、とてもうすく眉が描かれていたと確認された。

モナ・リザは、製作途中だと思われている。未完だと言われている理由は、左手がとても見えにくいからだ。右手は、とても明るく、指の一本一本がはっきり見えるが、左手はとても色が暗く、指の太さや長さがよくわからない。

ぼくは、レオナルドがわざと、左手を未完のようにしたと思う。それは、レオナルドが不可思議な人物だからだ。人をこまらせるためにそうしたのかも知れない。

モナ・リザは、背景にも謎があると言われている。絵の右側と絵の左側をあわせると、一つの風景になると言われている。アルプスの風景が描かれているとも言われているし、レオナルドが理想とする架空の世界が描かれているとも言われている。

モナ・リザはルーヴル美術館のドノン翼の二階にある。ドノン翼は、フランスやイタリアのルネッサンスの絵画が多くある場所だ。モナ・リザがある部屋につくと、とてもこんでいる所がモナ・リザだとすぐに分かる。ふだんはものすごくこんでいるが、朝早く行けば、すいているかもしれない。

モナ・リザをすでに見た人は、思ったより小さかったと言っているが、それほど小さくはなかった。どちらかと言うと、ぼくは大きいと思った。どの角度から見てもこっちを見ているように見えることがとても印象に残った。

しかし、心に残った作品はモナ・リザだけではない。ルーヴル美術館で一番大きい像、サモトラケのニケもその一つだ。とても大きく、迫力があった。 ぼくは、この像が見つかった、エーゲ海のサモトラケ島の上にあった船のほさきに置いておいた方がよかったと思うが、その一方で、ルーヴル美術館で一番目立つ場所が見つかったため、この像がたくさんの人に見てもらえたとも思った。

モナ・リザの次に印象に残った絵が、ナポレオンの大還だ。ぼくは、この絵の大きさがとくに印象に残った。そして、ダヴィットの光の使い方がとても天才的だった。

ルーヴル美術館の絵や彫刻は、写真で見るよりも本物を見る方がはるかに迫力があった。今度ルーブルに行く時は、友達と一緒に行ってみたい。それ は、ルーヴル美術館の入館料は子供は無料だからだ。さらに、作品が一日で見切れないほどあるから、何日も作品を鑑賞しながらすごしたい。

※作品のコピー・無断転載を禁止します


  1. 教室オリジナル教材 [戻る]

ハイレベルクラス

ハイレベルクラス
模擬投票の結果報告
国語専科教室では、「模擬投票」として主に中学生以上の生徒に今回の衆議院選挙に投票してもらいました。具体的には以下の手順で投票してもらいました。 『中学生からの対話する哲学教室』の90~91ページを読んで「無知のヴェール」 ...続きを読む »
ハイレベルクラス
シカゴへの旅 (Aさん・インター高1)
本文 『シカゴへの旅』 インター高1・Aさん 今年の夏のシカゴへの旅で、私はたくさんの優秀な人と出会い、何事にも積極的に参加することの大切さを学んだ。そして、将来について、改めて深く考える契機になった。 私が参加したのは ...続きを読む »
510F1J23QML._SL500_AA300_
秋の読書探偵最優秀作品賞(中学生の部)「オリエント急行殺人事件」(中1・K君)
2011年「秋の読書探偵 作文コンクール」(主催:翻訳ミステリー大賞シンジケート)にて、教室に通う中1・K君の書いた「オリエント急行殺人事件」が、見事最優秀賞に選ばれました(コンクール中学生の部 応募総数17作、うち最優 ...続きを読む »
Copyright © 工藤順一 国語専科教室 2017 | base design criated by Ani World.