白紙を読む (中2・Nさん、中2・Sさん)

中2・Nさん 講評(講師:瀬戸隆文)

「この白い紙から何が読み取れる?」と、講師は中学生のNさんにA4の白いコピー用紙を(わざと)無造作に渡す。「先生、これって、ただの白い紙じゃないですか」と、困り顔のNさん。「そうかね」と、ぶっきらぼうに講師は窓の外を見て、知らん顔。なんとか取りすがろうとするNさんの視線。分かっていながらもそれを無視したような、突き放した態度の講師。緊張感のある静寂が流れる。考え込むNさん。分からない。一字も書けない。

しばらくすると、講師がちょっと助け舟を出す。「観察するって、どういうことだっけ?」。なるほど、とうなずくNさん。早速、渡された紙を透かしてみたり、こすってみたり、振ってみたり。最後にはビリビリと破いてしまう。一つひとつの行為で感じたこと・発見したことをワークシートを使ってメモしていく。そして嬉しげに、メモを見ながら作文を始める。

できました。ずいぶんいろんなことが読み取れました。皆さん、読んでみてください。

『この白紙の紙についてどのような事が読み取れるか』
中2・Nさん

今日、私は白い紙について調べてみました。

まず、目で見ると、長方形で薄く透けていました。他には破く、折る、丸める、光を通す、字や絵を書く、下にある色によって色を変えることができる、などということが分かりました。手で触ると、さらさらする。引っ張ると切れる。水をつけると弱くなる、勢い良くこすると熱くなることが分かりました。耳で聞くと、振り回すとベラベラ、くしゃくしゃにするとグシャグシャ、破くとビリビリなどと、それぞれ違う音がすることが分かりました。

結論として、白い紙について調べてみると、ただの白い紙でもたくさんの音が出せたり、色々な角度から見ることで、異なる見方ができることが分かりました。なぜなら、五感を使って白紙を観察してみると、いろんな情報が見えてくるからです。

中2・Sさん 講評(講師:石塚 廉)

生徒に同じ課題を与えても、その感じ方や授業の進行はさまざまです。

Sさんは、「読めない、読めない」と長い間、白紙と格闘しましたが、それもまた一つの情報であることに気がつきました。

『白紙をよむ』
中2・Sさん

私は白紙をよむことはできないと思う。

はじめにどうにかしてよもうとしてみた。白、ゼロという言葉が浮かんだが、「白紙をよむ」とは違う、と思った。「~をよむ」という行動には、文字をよむ、空気をよむ、顔色をよむなどがある。

「よむ」を辞書で調べると、「文字で書かれたものを声をあげて言う」、「眼前の事物・行為を見てその将来を推察したり、隠された意味などを察知したりする」、と書かれていた。

将来を推察したり、隠された意味などを察知するということも「よむ」と知ったので、改めて、よめるかな、と思ったが、文字がひとつもないし、白紙はただの紙で、水につけても文字は浮かんできたりしない。そこにはなにも隠されていない。結局、白紙はよめないのだ。

しかし、別の見方をすると、「よめない」と知り、分かること自体が、よんでいる、というように考えられる。

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