私の時間(中1・Kさん)

『私の時間』
中1・Kさん

なぜ 時間は 楽しいときと辛いときで 進み方が違って感じられるのだろう。
なぜ 時間は ビデオテープみたいに 止めたり巻き戻したりできないのだろう。

でも そんなことをすれば いままで がんばって選び 進んできた人生が
純粋さを失い 違ったものになるだけなのだ。

私に残された時間は あと どれくらいなのだろう。
もしそれが あと少しなのであれば
これまで私の人生に彩りを添えてくれた人たちに「ありがとう」と言いたい。
そんなわずかな出会いでも 生きていることの価値を知りえない生き物にとって手の届かない贅沢に違いないのだ。

出会いは 心から心へと伝わるものだから どんなに遠くに離れていても 触れ合うことができる。
そんな心は 簡単なようでいて 難しいものなのだ。

一度 冷たくなった心は ガラスよりもこわれやすく 何物よりも硬い隔たりを造る。
たったいままで 暖かだった心が 一瞬で冷たくなることもある。
心って不思議だ。  言葉では表せないようなことを 密かにしまっておける。

心って不思議だ。  何億何十億と 数え切れないほどの色があるけれど、私の心は何色なのだろう。
せめて人と接するときは なにもかも優しく包みこんであげられる 暖かい色がいい。

私は 残された時間を どんなふうに過ごせばいいのだろう。
できれば 冷たくなった人の手を 毛糸の手袋で包むように暖めてあげたい。

私は今を そしてこの先の時間を そんなふうに生きてゆきたい。

※作品のコピー・無断転載を禁止します

講評(講師:高桑洋彦)

『ニングルの森』(倉本聡 集英社)の「時間」を題材に、中1のKさんと話し合ったのち、時間について思うことを書いてもらったところ、この作品が生まれました。彼女はその日の朝たまたま、詩を読んでいたそうで、それが影響したのだろうと感想を述べましたが、まさにポエムです。

論理的な文章を書くことを推奨している中で、こんな作品が生まれると、何だかホッとしてうれしくなりました。しかし、この作品が生まれる前の話し合いは、結構論理的であったことをお忘れなく。



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